広報の大切さ 考えていること 2017年03月28日 少し思ったことがあるので書き連ねていく。広報の大切さ、あまり普段の生活で実感するところは少ないかもしれない。実はオリエンテーリングと関わってくる…オリエンテーリングと言ってどういうものなのか思い浮かぶ人は少ないだろう。例外的に今4-50代以上の人や頻繁に山登りしたりするような人は知っていることも多いのだが知らない人も多いと思う。オリエンテーリングというのは北欧発祥のスポーツである。地図とコンパス(方位磁石)を持って山や公園を走るスポーツ。ちなみに色々な種類があり、一般的なのは足を使って走るフットO。他にもマウンテンバイクを使うMTBOやスキー板を履いて雪山で行うスキーOなどがある。あと無線を使ってコントロールの位置を探すARDF(フォックスハントとかいうらしい)なんかもある。さらに競技形式にも色々あり、純粋にチェックポイントが地図上に決められており、決められた順番通りに回ってそれにかかったタイムを競う(ポイントO)、と言ったものや、制限時間内に地図上に記載されたチェックポイントを回れる限り回ってそのスコアを競う(スコアO)と言ったタイプがある。フットのポイントOが一般的でおそらく一番人口が多い種目となる。そこでなぜ広報が大事かということだが、大きく分けて二つある。一つ目はオリエンテーリングがマイナースポーツで対外的な広報が必要な点、二つ目は競技上参加者に対して告知をしなければならない点にある。まず、一つ目である。オリエンテーリングはマイナースポーツで対外的な広報が必要である。一番そういうことに力を入れているのはJOAという団体だろう。オリエンテーリングの普及、発展を主に活動している社団法人だ。ただ、マイナー競技は門戸を広げるということが大事だと思っている。そのためには一競技者がJOAに全て広報を任せるというのは怠慢だと思っている。結局広く知ってもらうには競技者一人一人の告知、アピールが重要だと思っている。わかりやすいところだと大学の自己紹介で「オリエンテーリングをやっている」と言った名称に関するアピールであったり「地図を読むのが得意だ」と言ったような技能に関するアピールまで付け加えてもいいかもしれない。そういう草の根的な活動によってオリエンテーリングという単語やどういう競技かを知ってもらうための入り口となる。また、もう一つ自分の経験に即して言えば、「新歓」というものがある。新歓は大学サークルにとって新たな競技者を増やす数少ない手段の一つである。オリエンテーリングの競技者人口というのは大学生が中心となっている。そのため大学生からオリエンテーリングを始める人は少なくない(中高の部活としてオリエンテーリングがある学校は極僅か)。そのため新歓でいかに新規競技者を獲得できるか、ということが問題となっている。新歓では一般的にビラを配ることが多い。そのため配られる大量のビラを新入生があとで見返して印象に残るビラを作るようにしなければならない。ではどうやってビラを作るかビラを作る際に工夫しなければならないこととは何か。この際に注意しなければならないことがいくつかある。1. 一般の人は「オリエンテーリング」という単語を見ても何をするサークルなのかわからない。→オリエンテーリング以外の言葉で何をするサークルなのかを書く2. 文字が多すぎるとほとんどの人は読まない(印象に残らない)。→極限まで文章は削る(要点を絞る)、イラストを使う3. 興味を惹くようなデザインにする。→白黒よりはカラーとか、綺麗な写真を使うとか…大体はこのような感じでポスターを作るよう心がけた。最小限の情報で人が集まるのか、という疑問があるかもしれないが、その要点を絞ったポスターを見て興味を持った人は新歓用のサイトにアクセスして詳細な情報を読むのである。こういうことを心がけてポスターや勧誘を続けた結果、1年生の頃は10人程度だった部員が3年生の頃には70人を超えるようになった。もちろんそれだけではなく、部内の雰囲気などもあったのかもしれないが入り口作りという点では大きいものがあるのではないだろうか。長くなったが二つ目に行こう。参加者に対して告知をしなければならないオリエンテーリングという競技は大会参加者に対する運営の割合が多い競技である。具体的にいうと私有地である里山などを使う関係上渉外業務が必要になる。イベントの開催のためには地図調査(オリエンテーリング専用の地図を作るため現地に行って地図を作る必要がある)や下見(競技として適切なコースであるかを確かめる試走)があるし、当日は会場やスタート地区(会場とスタート地区は別のことが多い)、ゴール地区やあるいは給水所(救護所)などの設置が必要であったりするためかなり大勢の人手が必要となる側面がある。また、山を使う以上、一回の大会で走れる人数も大体決まってしまう(ちなみに競技の公平性を期すためには一つのコースあたり一分間につき一人の頻度でしか走者を出すことができない)。そのため、メンバーの少ない団体の大会運営は難しく、必然的に大学サークルはメンバーも多いこともあり、大会運営をすることも多い。参加者側も大会運営をするという側面は同人誌と似たものを勝手に感じている。さて、大会を実際に開催しようとなった時に告知をする必要がある。また、大会が終わったあと実際に結果がどうであったかを正式に報告しなければならない。また、トラブルがあった場合(怪我や熊の出没など)その件についても報告しなければならないことがある。そういった意味での広報活動は非常に重要なものとなっている。・大会開催前の広報についてここも二つあって一つは地域住民の方に当てた回覧板、もう一つは競技者に対して参加したいと思わせるプロモーションだ。二つ目の方について書きたい。オリエンテーリングの大会に参加する動機というのはいくつか決まっていて、大体三つに絞られると思う。1. 新しいテレイン(分かりやすくいうとフィールド?)であること何度も入ったことのある山だともう地図を見なくても行けるようになっていたりして面白くない、一度も行ったことのないところを走りたい、そういう気持ちを少なからず競技者は持っている。2. テレインの特性がニーズにマッチしていること(急斜面でゴツいのかとか平坦で方向感覚の維持が大事なのか…とか)競技者は大きな大会に向けて準備をしていることが多い(例えば全日本大会やインカレといった大きな大会だ)。そこで用いるテレインと似たような地形的特色があるテレインで大会が開催される場合、その大会に参加して腕試しをしたいと思う。3. 大会運営者、コースプランナーに対する魅力分かりやすく言えばブランド力だ。大会のレベルがこの水準まできている場合安定した集客は見込まれる。だが、そういったブランド力は過去の大会の質で培ってきたものがあるため油断しているとすぐに人がいなくなる。つまり大会を開催する際にコンセプトを決めるのが大事になる。新しいテレインを使うか、過去に使ったテレインを使うならどういうテレインを使うか。もしそういうのを満たすものがない場合、どう対処をするか…そういったものが求められる。それが決まった場合、推したいことを重点的に推してアピールすればいい(もちろんどこかを疎かにしていいわけではなく難しいところもある)・大会後の広報について大会後の広報(報告)は意外と軽視されがちだが一番大事なところと言っても過言ではないと考えている。何故ならば、大会をしっかり開催して終了したよ、ということをアピールするためのものであるからだ。理系なら実験をやってノートにまとめない感覚に近いだろうか。結局最終的な広報をしない限りその大会は独りよがりのものとなってしまう。ではどういうことを書くのか。そこは大会の毛色によって違うと思われるが対外的に公開するべき点は「成績」最低限これだけは公開し、告知をするべきである。大会の場で出てくる成績というのはあくまで速報であって最終的な結果ではない。最終的な結果は走者が全て帰還し、その後の未出走者や帰還者の確定を持って完了するため参加者がいる段階で告知することは不可能である(表彰者に関しては速報でも確定値を出せるが...)そのため、全ての参加者に対する順位が確定したらそれを告知する義務がある。他にも大会の種類によっては「報告書」といったものを出したり、コースプランナーによるコース解説なんかを出したりして大会の毛色をつけていく、そういった作業も大切になる。そういった作業の積み重ねでブランドというのは作られていくと感じている。長文になったがこのような感じでオリエンテーリングにおける広報についてまとまったかと思う。ちなみにこれらの経験より、「見えない広報はやっていないことと同じである」という教訓が得られた。今後行うかはわからないが広報をする際にはしっかり誰からも見えるような広報を心がけたいなと思った。もちろん完全内部向けの告知、広報は存在して、そういうところだとメールなどで部内に大会の告知をする際は絶対にメールのタイトルあるいは本文内に「○月○日の○○大会」というような文章を入れるように心がけている。結局その文面を見た時にすぐ判断できるようにしないと参照の手間が増えてめんどくさくなる人がいるためだ。情報のアクセスを複雑化しないことが重要である。 PR